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物事の捉え方

2015年2月12日(木)

私がかかわらせていただく、60歳代のあるご夫婦のお話です。

ご主人は診察や治療で頻繁に通院されています。
奥様はご主人の付き添いで、毎回必ず一緒に来院されています。

奥様ご自身も先日手術をされ、体調はまだまだ本調子では
ないようですが腕を組んで歩かれているお二人のご様子からは、
奥様がご主人を想うお気持ちと、またご主人が奥様を頼りにして
いらっしゃることがよくわかります。

 

 

私が奥様にお声かけする時には毎回決まった言葉があります。

「○○さん、事務の細田です。」

奥様は目がご不自由なため、一日に何度声をおかけするときも
第一声は同じ言葉です。

 

 

ご主人の治療中、奥様は外来の待合ソファで約1時間、
長い時には2時間以上お一人で待っていらっしゃいます。

長時間であること、また目のご不自由な奥様にとって、
外来の待合では人の動きがあって落ち着かないのでは、と
以前から何度か看護師や私もご主人が治療されている同室の
待合で過ごされたら、とお声かけしていました。
しかし、いつも「ここで大丈夫です」と言われます。

私は待合にいらっしゃる奥様を気にかけながら、その時間はこちらから
何度か声をおかけするようにしています。

ご主人の治療が始まったころには
「今日はどれくらいのお時間ですか」、と確認をしながら、
交通手段や体調などについて少しお話をさせていただきます。
それから少し経った頃には「お茶を飲まれますか」、と。
飲み終えたころには「コップをお預かりしましょうか」、と。

また、お顔をキョロキョロとされるような仕草をお見かけした時にも
声をおかけするようにしています。

奥様から何かご用事があるときには、私が声をおかけした時に
言ってくださいます。
「トイレまで案内してもらえますか。」
「~~について相談したいんだけど。」
「○○さんを呼んでいただけますか。」など…。

 

本日ご主人の治療中に少しお話をさせていただきました。

「細田さん、私はテレビも見えないでしょ。
 雑誌も読めないでしょ。
 ずっと座っていると腰も痛い。かと言って一人では動けない。
 時間が過ぎて主人が終わるのを待つだけ。
 でも付き添いで病院に来るのは大変だけど、大変じゃないのよ。
 いや、ちょっと大変だけどね(笑)
 みんなが気にかけてくださるから大丈夫。

 こう見えて、家では料理も家事も全部してる。
 高齢のおばあちゃんの介護もしてる。
 忙しいよ~。
 だから、な~んにもしない今の時間は貴重なのかな。」

 

私が心の中で ”すごい!” と思った瞬間、

「今、すごいって思ったでしょ。」 とおっしゃる奥様。

私 「・・・ !!」

「心の目があるからね(笑)」 と。

 

 

 

『視点を変える、視点が変わる、見ようとする、感じようとする、
 考えようとする、かたちにしようとする』

それらは全て自分の心や体で感じ、さらに行動にしなければ
状況は変わらないのだと教えていただいたような気がしました。

お帰りの際、お二人にとって腕を組んで歩くという、ごくごく自然な姿が
お互いのいくつもの思いやりで成り立っていることを改めて感じ
温かい気持ちになりました。

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