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『ソフト食』試食会

今回は『ソフト食』にについてご紹介します。

食事は、安全なものを美味しく楽しく食べられることが大切です。
しかし加齢や疾患などによって咀嚼力(噛み砕く力)や
嚥下力(飲み込む力)が低下されている方にとっては、
”安全に美味しく食べる”ということが難しいこともあります。

「きざみ食」や「ミキサー食」などの食事は、むせやすく誤嚥を引き起こす
危険があり、また食欲に影響する「見た目」も課題となっていました。

そこで画期的な介護食としてここ数年で大変注目されいるのが
ソフト食です。

当院では平成21年からソフト食への取り組みを開始し、
様々な準備期間を経て平成22年1月より、3食をソフト食で
ご提供できるようになりました。

「喜んでいただけるお食事作り」をモットーに、安全に美味しく楽しく
食べられる食事のご提供に努めています。

 

ご入院中の方が召し上がっているソフト食を、実際に職員が
食べることで味や食感をより深く理解してもらうため、
当院の摂食嚥下チームが中心となって
ソフト食の試食会が行われました。

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場所は職員食堂。
食事をする前に、みんな立ち寄って試食。

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私もいただきました^^

まず準備されていたのは4種類のお茶。
お茶や汁などのサラサラした水分は口の中に広がりやすく
力を入れないとのどの奥に入っていかないため、
嚥下が困難な方にはむせやすいのです。
それをトロミ剤を使用することで水分をまとめ、飲み込みやすくします。
トロミ剤の使用量によって水分のまとまり(トロミ)具合が変わります。

1つめは”薄いトロミ”をいただきました。

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スプーンを傾けると、お茶はトロトロ~と落ちていきます。
のど越しはそんなに抵抗感なく、味はきちんとお茶の味がしました。

2つめは”中間のトロミ”です。

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スプーンを傾けると、お茶はポタ…ポタ…という感じで落ちます。
飲む時はコップを傾けるとゆっくり口に入りました。
口の中にもったりとする感じがあり、「水分」とか「お茶を飲んでいる」
という感覚ではありませんでした。
また、味は”お茶と分かっているからお茶の味かな…”という印象です。

 

3つめは”濃いトロミ”のお茶です。

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スプーンを傾けてもなかなか落ちません。
しばらくすると、ゆ~っくりボタ、、、ボタ、、、と落ちる感じです。
コップをかなり傾けてトントンと振るように落とすのと同時に
勢いよく吸い込むようにしてやっと口に入ってきました。
飲み込む時には口の中に、もったりと残るような感覚でお茶の味は
ほとんど感じられず、トロミ剤の味が残るような印象がありました。

 

4つめは”お茶ゼリー”です。(上記写真の左端)

寒天を食べているような感覚なので”水分”という感じではないですが、
味はしっかりお茶の味がして美味しかったです。
こちらのお茶ゼリーでも、きちんとした水分摂取になるとのこと。
濃いトロミの時のように口に残る感じもなく、のどの通りは
とても良かったというのが印象的です。

これらの感想はあくまでも私が感じたことの表現なので、
感じ方は人それぞれだと思います。
しかしながら試食後の職員アンケートでも
やはり同様の感想が多かったとのことでした。

 

次は『ソフト食』について。

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メニュー
<お粥・赤魚の煮付け・ほうれん草のごま和え・ゼリー>

この日私たちがいただく常食の食事メニューと同じものを
ソフト食にしています。

そのうち私たちが試食をいただいたのは、
赤魚の煮付けと、ほうれん草のごま和え。

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私たちの常食には、ほうれん草のごま和えの中に
にんじんも入っていました。

こちらを見ていただくとわかるように、ソフト食にも
ほうれん草とにんじんが入っています。

彩りを考えて、ほうれん草とにんじんが別々に盛り付けられているのが
わかるでしょうか。

作る工程では、2種類の野菜を混ぜて作る場合もあります。
混ぜて作っても、分けて作っても栄養価は変わりません。

それを、今回は手間を省かず見た目の彩りを考えて
わざわざ分けて作られていました。

召し上がる方にとっては、その手間がどれほど嬉しいことでしょう。
食事にはとても大切な見た目や彩り。
安全に美味しく楽しく食べられる、たくさんの工夫を感じることができました。

 

見た目で楽しんだ後は、ソフト食の試食。

「ソフト食は本当に食べやすくて飲み込みやすい。
そして味もしっかりとあって美味しい!」というのが私の感想です。

嚥下食(トロミⅠ~きざみ)・ソフト食について皆さんの感想は…

  • いつも患者さんにトロミを作っていましたが、自分が飲んでみると
    飲みにくくて口に残る感じが嫌だった。お茶ゼリーは飲みやすく、
    ソフト食は魚の風味があって美味しかった。
  • トロミ具合で味が変化することに驚いた。
  • ソフト食は舌で簡単につぶせて元の食材の風味や匂い、
    味を感じられるので良いと思った。
  • これだけ美味しかったら嚥下食かソフト食、経管栄養かで、
    ごはんの楽しさが全然違うと思う。できるだけ患者さんに
    食べていただけるように声かけしながら援助していこうと思った。
  • 患者さんの食事を知ることができて良かった。
    患者さんやご家族と話をするときに、少しでも理解できる
    きっかけになりそうです。

実際に食べてみて感じること、気付くことがたくさんあったようです。
また、摂食嚥下チームへの要望や意見では…

  • 患者さん一人ひとりに応じた食事を調整され
    細かい対応に頭が下がります。これからも頑張ってください。
  • いつもありがとうございます。少しでも口から食べられる人が
    増えるよう、または適切な栄養摂取をしていただけるよう、これから
    ますますの活躍に期待しています。一緒にお願いします。
  • 家族の方にも試食の機会があると良いと思う。常食と比べると
    見た目は違うが、こんなに素晴らしい工夫をされていることを
    知っていただく良い機会になると思う。

このような感想は、摂食嚥下チームの皆さんにとって
本当に嬉しいことと思います。
またそればかりではなく、日々様々な治療食やたくさんの食事を
作られていて、直接感想をいただく機会が少ない
栄養科スタッフの皆さんにとっても大変力になる嬉しい感想だと感じました。

当院では職員の9割以上が職員食堂で食事をいただいています。
食事はパワーの源。
私たち職員も、ご入院中の方も、
いつも美味しい食事をいただいてパワーをもらっているのです。

栄養科は、まさに”病院の縁の下の力持ち”ですね。

実は先日、その栄養科の舞台裏におじゃました私。
ソフト食やその他の治療食、私たちがいただく常食など
たくさんの食事を作る様子についてはまた次回お伝えします!

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新人研修 ICLSミニコース

4月に入職した2名の看護師を対象に、
【金田病院 新人研修 ICLSミニコース】が行われました。

その日、当院で実習中の
倉敷芸術科学大学 生命科学部 健康科学科 救急救命士コースの
学生3名も一緒に参加されました。

ICLSとは、医療従事者のための二次救命トレーニングコースです。
「突然の心肺停止に対する10分間の対応と適切なチーム蘇生」
を習得することを目的としています。

2名の看護師は、学生時代にBLS(一次救命処置)の講習は
受けたことがあるそうですが、ICLSは初めてとのこと。

木下部長、救急災害対策委員会の看護師6名と、
真庭消防署 救急救命士の西村さん指導のもと開始しました。

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皆さん少し緊張気味です。

<プログラム>

13:00~       救急災害対策委員会の看護師によるデモ
13:10~14:00  BLS(一次救命処置)
14:10~15:00  気道
15:10~16:00  モニター
16:10~17:00  シナリオ
17:00~       まとめ

半日の講習プログラムです。

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まずは『BLS』のブースです。
AED(自動体外式除細動器)と胸骨圧迫を一人一人が体験します。

 

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人を呼ぶ時の声の大きさはどうか、効果的な胸骨圧迫ができているか、
AEDを正しく使用できているかなどを細かくチェックしています。

 

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その一つ一つの指導やアドバイスが技術となって身に付き、
自信につながります。

 

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こちらの様子は、人の頭がどれほどの重さなのかを体験しています。
ただ持ち上げるのではなく、”安全に”ということも考えなければ
いけません。持ち上げながら「重たい…」という声が聞かれました。

そしてここからは『気道』のブースです。

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木下部長の「空気が漏れないように」という言葉で、
バックバルブマスクの角度を試行錯誤しながら
なんとかコツをつかんでいました。
これも、今とこれからの”経験”ですね。

 

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一つひとつ学んでいきます。

次は『モニター』ブース。

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モニターブースでは心電図の波形を読み取ることを目的としています。
皆さん「モニターを読み取るのは苦手です…」と、
慣れないことに少し苦手意識を感じているようです。

そんな様子に「モニターは覚えるしかない!」と、先輩の現実的な声。
みんな通ってきた道のようですね。

 

そしていよいよ『シナリオ』ブース。

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想定されたシナリオに沿って5名の受講者だけで
これまでの一連の流れを行います。

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5名が一つのチームとなって行い、
一人がリーダーになって全体を見ながら他のスタッフに指示を出します。

指導している看護師は、その様子を『シナリオチェックリスト』に沿って
評価しています。

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一人一人がリーダーの役割をしたので、シナリオは全部で5パターン。

最初は声が小さく、それぞれの役割がありながらも
自分が何をして良いのかわからず動きにも戸惑いが
あるように感じましたが、回数を重ねるごとに
一人一人の動きや判断が変わっていくのが見て取れました。

だんだん手際が良くなり、チームワークも良くなっていきました。
自分だけで何とかしようとするのではなく、
お互いに協力を求める声掛けや指示がきちんとできていました。

どんなことでも誰でも同じですが、
『できない・わからない』ことに対しては
自信がなく消極的なってしまいます。
反対に、『できる・わかる』ことに対しては
自信を持って積極的に対応することができます。

緊急を要する命と向き合う場面では、
その一瞬の的確な判断が求められます。

だからこそこのような経験によって知識や技術を高め、
いざという時に自信を持って積極的に動くことができるように
ならなければいけないと強く感じました。

当院でこのような研修が行われるようになったのは、
① 変化に早く気付くこと
② 緊急時に必要なものが早く揃うこと
③ 医師の到着・指示を待たない
  (言われてから動くのではなく、先読みして準備ができるように)
ということが目的です。

この時間には、失敗から学んだことや先輩の声で気付けたことなど
大切なことがたくさん詰まっています。

この気持ちと経験を忘れないように、
看護師2名の方はプロとしてますます頼りがいのある看護師に、
救急救命士を目指す学生3名の皆さんは、国家試験に向けて
一歩ずつ前進していただきたいな、と思います。

 

 

AEDは一般の方が使用できるようになっています。
資格は必要ありません。
もしも私がAEDを必要とするような場面に居合わせたとしたら…
やはり戸惑うと思います。
経験がない分、冷静さに欠けると思います。
でも、このような講習を受けて手順を理解しているのと
していないのとでは全く違います。

これまでにAEDの講習を数回受講していますが、
今回改めてその意味や大切さを”医療の現場から”学んだような
気がします。

ありがとうございました。
 

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