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人の気持ち

それは、『その人にしかわからない』、『その人にしか理解できない』ことが
たくさんあると思います。

 

先日の出来事です。

当院に通院されていたAさんの奥様(Bさん)が、
お見舞いで来院されました。

奥様は、ご入院中も外来の日も必ず付き添いをされ、
Aさんを心身ともに、とても献身的に支えていらっしゃいました。

そんなお二人をお見かけしていたのが今から数年前。

その後、Aさんは当院でお亡くなりになりました。

それ以来、奥様にお会いすることはなくなってしまいました。

あれから4年の月日が流れ、先日お見舞いの機会に
お会いすることができました。

 

玄関から入ってこられる奥様を見て、「Bさん!」と駆け寄って
声をお掛けしました。

「細田さん…。」そう言って声を詰まらせたBさん。

 

「覚えてくれとったんじゃなぁ。 嬉しいわぁ。
 今日はな、親戚のお見舞いに来たんよ。

 お父さん(Aさん)が亡くなって以来、久しぶりに来たから
 玄関に入るのがすごく緊張したわ。

 私にしかわからん気持ちかもしれんけど、良いことも悲しいことも
 思い出すから、やっぱり緊張する。

 あの頃いつもいつもお世話になっていた看護師さんや細田さん。
 お父さんがいなくなってから、話に行きたいと何度も思った。」

Bさんと、しばらくの間お話をさせていただきました。

Aさんを思い出すと今でも涙が出ること、気持ちが沈むこと。
家族に支えられ、笑っていられる毎日があること。
Bさんも体調を崩されて、現在も大きな病院に通院中であること。
命の尊さを感じていること。

一歩ずつ、しっかりと前を向いて歩かれるBさんに、
私は元気をいただきながら、その日はお別れしました。

 

そして本日、Bさんが両手いっぱいのお花を抱えて来院されました。

「この前、お父さんのことも私のことも覚えてくれていたのが
 すごく嬉しかったから。」

ご自宅から摘んできて下さったという、たくさんのお花。

Imgp5252  

いつもは、玄関の生け花を担当している
スタッフが生けていますが、
本日は不在のため、
代わりに私が…。

”代わり”にはなっていませんが、
Bさんが病院にいらっしゃる間に飾り、
見ていただきたかった。

お恥ずかしいのですが、
私はお花の生け方はわかりません。

花瓶にさしただけになっているかも
しれませんが、Bさんのお気持ちが
たくさん詰まったお花です。

 

 

 

私たちは、皆さまに支えられているのだと、改めて感じます。

受診される皆さまを想う職員と、職員を想って下さる皆さま。

そんなあたたかい気持ちが行き交い、溢れる空間が
いつまでも続きますようにと願ってやみません。

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和みのスペース②

2012年7月19日(木)

和みのスペース②は…

小さな小さなスペースです。

それは、コチラ☆

七夕飾りです。

Imgp5223_2  

一般的に、七夕は7月7日です。

 

当院では今も飾っています。

少し時期外れ…?と感じる
かもしれませんが、太陽暦での七夕は
8月初旬~中旬(年によって異なる)
とされています。

月遅れの七夕は8月7日。

全国でも8月7日に七夕祭りを
している地域は多いようです。

 

 

 

 

Imgp5225  

 

 

飾られている短冊には
たくさんの願いが込められています。 

 

私も願いごとをしました。 

 

 

 

 

 

「おじいちゃんの病気が良くなりますように」と願うお孫さん。

「孫の夢が叶いますように」と願うおばあちゃん。

「習いごとが上手くなりますように」と願う小学生。

「ご自身の健康に感謝し、家族皆の健康を」と願う方。

どれも素敵な素敵な願いごと。 

 

願いごとを書くことで、また、このような空間を感じていただくことで、
一人でも多くの方の心が癒されますように…。

 

 

七夕飾りを設置して間もなく、外来に通院されている方とご家族の方から
嬉しいお声をいただきました。

「病院に来るのは病気を抱えている人ばかりだから、
 こんな風にホッと和むスペースがあるのは良いね。

 病院は行きたくて行く場所じゃないし、
 元気な人が行く場所じゃないからこそ、
 ”病院”という場所を感じさせない取り組みがあるのは良いですねぇ。」

と。

そんな風に感じていただける方がいらっしゃること、
そのお声を直接お聞きできることは、本当に嬉しい。

とっても嬉しいです。

 

実は、この七夕飾り、当院の ある一人の看護師の提案から
生まれました。

お子さんがいらっしゃることで、保育園の行事などを通して「七夕」が
季節の行事で身近に感じられることもきっかけの一つ。

そして、もう一つ。

数年前に、患者さんとの出会いを通して、
看護師として忘れられない経験をされたことも重なり、
七夕飾りを設置したいという強い気持ちがあったそうです。

 

病院に来られる皆様には「願い」を希望にしていただきたい。

その願いを短冊に書くことで、少しでも前に進んでいただきたい。

患者さんを想う、一人の職員の心がかたちになりました。

 

七夕飾りを作成しているとき、看護師の方が言いました。

「一人でも多くの方が、短冊に書いてくださると良いですね。」

その想いは通じています。

私は、皆さんから嬉しいお声をたくさんお聞きしています。

当院の七夕飾りは8月7日まで設置する予定です。

 

皆さんの願いごとが天まで届きますように。    細田 麻衣子

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和みのスペース①

2012年7月10日(火)

増改築工事に伴い、皆様から好評の「絵手紙コーナー」を
リニューアルいたしました。

Photo_2  

 

こちらの作品は、
岡山県真庭市在住の
杉澤子さんが
ボランティアで当院に
長年届けてくださっている
ものです。

 

 

 

杉さんは、病気療養中に絵手紙と出会われ、
現在も月に100枚を超える作品を描いていらっしゃいます。

杉さんの絵手紙ならではのあたたかくてやわらかい雰囲気、
一枚一枚の絵に添えられた優しくて心に響く言葉、
どれも心地よく、幸せな気持ちになれます。

皆さまにもきっと感じていただけることと思います。

絵手紙コーナーは、正面玄関を進んでいただき、
左側の売店の向かいです。

どうぞ、ご覧下さいませ。

 

近々、「和みのスペース②」をご紹介いたします♪

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紫陽花(あじさい)

2012年7月5日(木)

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季節の花。

とってもきれいです。

 

 

 

通院中のAさんが持ってきてくださいました。

両手に杖を持ちながら、ゆっくりと歩かれるAさん。

朝早くから雨の中を、自宅から少し離れた場所まで
摘みに行かれたそうです。

きっと、片手に杖を、片手に傘を持って、
足元も不安定な中、
ゆっくりと歩かれていたんだと思います。

当院に持ってきて下さるために。

 

心がこもっている贈り物は嬉しいものですね。

いつもありがとうございます。

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「わしゃー ここがえぇ。」

2012年7月4日(水)

80歳代の男性、Aさん。

当院への通院は定期的ではありませんが、「体調がイマイチ」と
感じられるときに受診に来られます。

来院時には、私たちスタッフの一人ひとりに「こんちゃー!!(こんにちは)」と
元気の良い挨拶をしてくださいます。

Aさんは、スタッフの顔や名前を覚えるのが大得意。
挨拶の言葉には、必ず名前を添えて声をかけてくださいます。

ご来院の間はお一人でテキパキと動かれるので、
お手伝いをさせていただくことはほとんどなく、
挨拶やお話をさせていただくことで今のAさんとの関係や
来院時のリズムがあります。

 

本日、

「あぁ、細田さん…」

背後から声をかけてくださった方がいました。

振り返ると、声にも表情にもいつもと比べて活気がないご様子の
Aさんがいらっしゃいました。

”いつもと違う”ことを感じ、「Aさん、こんにちは。」と挨拶をして
表情を伺っていると、「人に話すようなことじゃないけど…」と…

すぐに、大切な内容だと感じたので、人通りの少ない場所で椅子に座り
ゆっくりと
お話を伺うことにしました。

 

ゆっくり、ゆっくりとAさんのお話を伺います。 

 

他医での診察で、大きなご病気が見つかったとのこと。

「どこにいても、何をしていても、どんな時でも、
 このショックが頭から離れない。」

不安、寂しさ、恐怖、家族へ迷惑をかけてしまうことの申し訳なさ…
様々な想いを話して下さいます。
「わしゃー(わしは)どうなるんじゃろぉかぁ…」と。

Aさんのご様子を見ていると、今は不安や悲しみを
吐き出していただくことが何よりも大切だと思いました
 

 

わしゃー(わしは) ここがえぇ。
 金田病院がえぇ。

 知った顔が見えるだけで安心する。 ここがえぇ…。」

目に涙をいっぱいためながら話してくださいました。

 

20分ほどAさんのお話を伺ったところで、少しずつ言葉に変化が。

「今の医療はすごいらしい。 手術も30分ほどで終わるらしい。
 入院も数日間らしい。
 手術の時間や入院が短いということは、
難しい手術じゃないってこと
 じゃろうな。 『大丈夫』、ということかもしれんなっ!!」と。

表情にも笑顔が見られ、心の支えがあることや、
感謝の気持ちをお話されるようになりました。

そしてお話はだんだん盛り上がり…

「ここ(金田病院)に、わしみたいな賑やかなじいさんが
 来ん(来ない)ようになったら、あんたらぁもみんな寂しいじゃろぉ~。
 元気になってまた戻ってくるけぇ、相手をしてぇよぉ。
 今日は寝れる。 
また来るっ!!!

と、笑顔で手を振って帰られました。

 

笑顔の裏には様々な想いを抱えていらっしゃるに違いありません。

本日は、お話をするためだけに来院してくださったとのことでした。

一人で考え、気分が落ち込み、どうにもならない心境の中で、
金田病院を思い浮かべ、足を運んでくださった。

本当に有り難いことです。

 

次回、「2週間後に来る。」と約束して下さいました。

今と同じAさんの笑顔にお会いできること、楽しみにしています。

そしてAさんのご回復を心よりお祈りしています。

 

お一人おひとりに向き合い、寄り添い、想いを汲み取りながら
対応することの大切さを、また一つ学ばせていただいた
大切な時間となりました。

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