« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »

温かい 温かい手

2008年11月27日(木)

吐く息もすっかり白くなって 朝夕はひときわ冷え込むようになりました。

私の手のひらも 指先も、ひんやりと冷たいことが多くなってきました。

 

そんな中、とても嬉しい出来事がありました。

 

玄関先にタクシーが到着し、Aさんのお顔が見えました。

Aさんはいつもご主人と一緒に来院されます。足がご不自由なAさんは杖を利用され、反対の手はご主人と手をつないで歩かれます

そのお二人の姿が、あたたかくて微笑ましくて 私にとっては大好きな光景です。

ご主人がタクシーのお支払いや受診の受付をされる間、私はいつもAさんと手をおつなぎして受診科の待合室までご案内させていただきます。

 

本日も同じように、Aさんと手をおつなぎしました。

そこで一言。

Aさん: 「まぁ~冷たい手じゃな~!! どうしたん?!」

私: 「冷たいですよね。こんなに冷たい手でおつなぎしてすいません。

冷え性なので冬になると毎年こんなになるんです。」

と笑いながらお話をさせていただきました。

 

そして待合室の椅子にAさんが腰をかけられたのを確認したので手を引こうとした時、Aさんが私の手を 両手でギュッと包んでくださいました。

 

「私の手はいつも温かいんじゃ。私の体温を分けてあげるわぁ。

ほら、このままじっとしとって。」

 

Aさんの温かい温かい手がとても心地よくて、ご好意に甘えて しばらくあたためていただきました。

そして右手が温まったころ…

「ほら、そっちの手も出してごらん。」

今度は左手も包んで温めてくださいました。

お話をさせていただきながら、手だけではなく 心までAさんの優しさに包まれて とてもあたたかい気持ちになりました。

 

「こんなことで良かったらまたいつでもおいで。温めてあげるから。

今度 診察に来るときの私の楽しみになったわぁ。」

と言ってくださったAさん。

…本当にあたたかいですね。

 

しばらくして、Aさんと私の様子をご覧になった方が声をかけてくださいました。

「細田さんは手が冷たいんじゃなぁ。

私の手もあったかいんよ。温めてあげる。」

と、Aさんと同じように私の手を包んで温めて下さいました。

もう嬉しさでいっぱいになり 言葉になりません…。

 

優しさやあたたかさは 伝えるものではなく、相手を想うからこそ伝わるものなんですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第9回 院内研究発表会

2008年11月21日(金)

この日、【第9回 金田病院 院内研究発表会】が開催されました。

院内研究発表会は 毎年5月と11月の年に2回開催され、当院の教育委員会が主体となって 様々な職種のスタッフが研究の成果を発表する、金田病院の大きなイベントの一つです。

 

5題の発表があり、それぞれに素晴らしい内容で勉強になりました。

<プログラム>

① 「ポータブル撮影における患者さんの周囲の被爆について」

  演者: 診療放射線技士  森中 貴志

  所属: 放射線科

 

当院でも患者さまの病状に合わせて、病室や手術室などでポータブル装置によるX線撮影を行っています。そこで放射線科の皆さんは、実際のポータブル撮影と同様の条件で患者さま周囲の放射線レベルを測定し、その結果について発表されました。

放射線技士のみに限らず、看護師や私たち職員が正しい知識を持って患者さまに説明をすることで 安心していただくことができるのだと思いました。とても興味深いお話でした。

 

② 「痛みへの対処」

  演者: 理学療法士  吉田 聡志

  所属: リハビリテーション科

 

理学療法士として あるお一人の患者さまの担当をされた吉田さん。運動療法をすすめるうえで疼痛の訴えが強かったために、疼痛のコントロールに非常に難渋されたとのこと。そこで患者さまの精神状態に注目し、入院初期から現在までの約1年間の経過を踏まえて発表されました。

痛みとは、精神状態や環境の影響を受けやすい感覚だということがよくわかりました。まずは”安心していただける環境づくり”が求められるとわかり、私も実践していきたいと思います。

 

③ 「外来化学療法における受け持ち看護を見直す」

  演者: 看護師  石原 彩子

  所属: 緩和ケア委員会

 

癌化学療法は、病棟(入院)から外来へ治療場所が変わっても、不安のない環境での治療・看護が必要で、早期のかかわりと細かな精神的サポートが必要です。しかし、受け持ち看護が未決定であった時には長時間 点滴だけが進められ、外来化学療法に対する不安増強の他、身体的苦痛、不信感も抱いたと思われます。そこで プロセスレコードを用いて、外来化学療法における受け持ち看護の有用性を見直したとのことで発表されました。

外来で化学療法をされる際に受け持ち看護をしているのは珍しいと知り、驚きました。不安が大きい中でどのような関わりが求められるのか、そして信頼関係を確立し 安心していただくにはどのようにしたら良いのかなどを考え、その工夫や改善点などをお聞きし、私にとっても大変勉強になりました。

 

④ 「療養病棟で褥瘡を発生させないために」

  演者: 看護師  坂本 奈美子

  所属: 褥瘡対策委員会

 

当院での褥瘡発生率は1%未満で、特に療養病棟では褥瘡発生はほぼゼロを維持しています。そこで、療養病棟で褥瘡発生ゼロを維持するための褥瘡ケアについて考察し、発表されました。

お話をお聞きして、スタッフ間での意識統一や 多職種で情報を共有すること、 そしてきめ細かいケアに取り組まれていることがわかりました。患者さまを思うあたたかい心が伝わり、とても感動しました。

 

⑤ 「外来での術前手術室オリエンテーションの工夫と効果」

  演者: 看護師  尾崎 弘美

  所属: 手術室

 

最近では手術前の入院は、手術の前日が大半を占め、がん告知や手術などの治療方針決定は外来で行われることが多く、手術まで計り知れない不安を抱えた期間があります。そこで当院では約2年前から、全身麻酔手術患者さまに対し、外来での検査期間中に 担当手術看護師による「手術前オリエンテーション」を始めました。面談の場所や時間的配慮、かかわりの工夫について発表されました。

患者さまの理解度や意向を確認しながらわかりやすく説明し、意思表示のしやすい環境づくりや調整を行っていることがわかりました。相手の立場になってつくられたこのような時間は、患者さまの不安や緊張を緩和することに大きくつながっていると思います。

 

 

こちらが院内研究発表会の様子です。 

006_2  

 

 

 

 

 

 

専門的な内容を、とてもわかりやすく発表してくださる5名の演者の皆さん。

 

 

007_5  

 

 

 

 

 

 

そして熱心に視聴する職員の皆さん。

 

今回は技術的な発表よりも、患者さまにいかに安心していただけるかを、それぞれの分野から考え、工夫をして改善につながっている、というような発表が多かったように思います。

病院には多くの職種があり、当然ですがその職種によって患者さまへの対応は異なります。そのような中 やはり共通しているのは 「患者さまに安心していただきたい」 という想い。

本日の発表会に参加して、そのことを強く感じました。

次回はまた半年後。今からとても楽しみにしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

”見守る”

2008年11月20日(木)

私は 様々な状況の中でお手伝いをさせていただいていますが、”見守る” というお手伝いは最も難しいと感じます。

ご本人はお手伝いを望まれ、ご家族は見守ることを望まれている場合には、私自身も迷いや葛藤で 答えを見出せなくなってしまいます。

 

定期的に通院されているAさんは ご自分の体が思うように動きにくいと感じておられ、私には以前から 「歩けない。車いすがえぇ。(いい)」 と言われていました。

しかし受診時には必ずご家族が付き添われ、歩くときには腕を組んでしっかりと支えながらサポートされていました。 「ほら、少しずつ歩けてるから大丈夫、大丈夫。」と声をかけ、Aさんが少しでも歩けるようにと いろいろな工夫をされていました。

そのようなご様子を見ていたので、両者のお気持ちは十分にわかっていました。

 

本日。

玄関先にAさんのお車が停まりました。

お車からゆっくり ゆっくりと降りられるAさんに対して、ご家族はほとんど手を出すことなく見守られていました。

そのご様子からも、Aさんに対するご家族の想いは強く伝わってきます。

そして何とかお一人で車から降りられると、ご家族は駐車に行かれました

 

杖をついて立ったまま一歩も動かれないAさんを院内から見て、私はどのようにするべきなのかを考えました。

私が声をお掛けすることでAさんは車いすを希望されることも考えられます。しかし、お一人でいらっしゃることは転倒の危険もあると感じ、私はAさんに声をおかけしました。

そして、手をおつなぎしてご一緒に歩くことをご提案しました(促しました)が、Aさんは…「歩けない。」と一言。 私はそのまま手をおつなぎして、ご家族が来られるのを待つことにしました。

ご家族の方が来られると、やはり歩行を促されました。

しかしAさんはすでに私の姿を見ていたことで歩行の意欲もなくなってしまい、ご家族は ”仕方なく…” といったご様子で車いすをご用意されました。

 

このような場面に出会い ”見守る” ことの難しさや ”ご要望を見極める” ことの難しさを改めて感じました。

今後は、Aさんにもご家族にも喜んでいただけるお手伝いを目指して、ご相談させていただきたいと思います。

大変勉強になりました。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

一通のお手紙

2008年11月15日(土)

昨日の夕方、金田病院に一通のお手紙が届きました。

宛名には 『コンシェルジュ 細田 麻衣子様』

差出人には 『一患者より』 と書いてありました。

 

私はドキドキしながら封を開け、お手紙を読ませていただきました。

 

きれいな文字で、丁寧に丁寧に書かれているそのお手紙には 医師・看護師への感謝の想いや、私への励ましや応援のお言葉がつづられていました。

お手紙をいただくきっかけになったのは、当院の病院広報誌「情報発信ステーション」だったようです。

 

私は、待ち時間に一人でも多くの方に広報誌をお読みいただけたら…と思い、新しく発行された際には できる限りお一人おひとりに言葉を添えてお配りしています。

こちらの方は、今月1日に発行された「情報発信ステーション」 (http://www.kaneda-hp.com/kouhousi/jyouhou/station32.pdf) をお配りする私の姿を見て、また その内容をお読みいただいて感じたことを、お手紙に込めて送ってくださったのです。

 

お手紙の最後に 『思いつくままに書いてみました。』 と書かれていました。

私が今、お手紙をいただいた喜びや感謝の想いを「伝えたい」という気持ちで、コンシェルジュ日記に書き込んでいるように、こちらの方も「伝えたい」というお気持ちでお手紙を書いてくださったのでは…と思うと、本当に本当に嬉しくなります。

 

直接 御礼をお伝えしたいのですが、お名前は『一患者』。

今の感謝の想いを、日々の業務の中で ご来院の皆さまにお伝えすることで、御礼に代えさせていただきたいと思います。

誠にありがとうございました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

楽しみが増えました。

2008年11月14日(金)

退院後 最初の診察に来られたAさんは、以前 私が病室訪問をさせていただいた方です。

Aさんは私のことを とてもよく覚えてくださっていて、玄関を入られるとすぐに声をかけて下さいました。そして、ご自宅に帰られてからの生活や病状など、いろいろなお話をして下さいました。

また、病室訪問の時間を振り返って このように言われました。

 

「とても良いことだと思いましたね。

誰が どんな状態で どれくらい入院しているのかを把握するのは難しいだろうけど、できれば退院する前だけではなくて、入院中にもゆっくりと話ができて相談できるような時間があれば良かったなぁ、と思いました。

そんな風に思っているのは私だけじゃないと思いますよ。もしも今度 私が入院したときには退院前じゃなくても呼ばせてもらいますね。

コンシェルジュって聞きなれない言葉だし、外来に通院しているときにはあまり頼ることがなかったけど、話を聞いてもらったことで すごく身近に感じるようになりました。

今後もよろしくお願いしますね。」

 

とお話下さいました。

Aさんにとって、少しでも心に残る時間になっていることを知り、大変嬉しく思いました。

病室訪問をさせていただくまで、私はAさんとお話をしたことがほとんどありませんでしたが、このことを一つのきっかけに、今後 少しずつ関係を築くことができたらと思っています。

Aさんとお会いできること…私の楽しみが また一つ増えました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

コンシェルジュが行く! 『管理栄養士:妹尾 富美子さん編』

2008年11月11日(火)

3回目の今回は、栄養課長で管理栄養士の妹尾 富美子さんにお話を伺いました。 

 

金田病院の食事は家庭の味を目標にしています。

その言葉の通り、「金田病院の定番メニューが、我が家の定番メニューになった。」という職員の方も多いようです。

栄養課の皆さんが心掛けていることは、季節の食材を取り入れた食事を提供することです。つまり 美味しいものは美味しい時期に、より美味しく。

私も食堂でいただく季節の食事が大好きです。

 

そこで今回は、この時期ならではということで

妹尾課長オススメ!ゆず茶レシピを教えていただきました。

柚子は、疲労回復(柚子の皮に含まれるクエン酸・りんご酸など)・風邪予防(レモンの2~3倍のビタミンC)・美肌効果(鉄・コラーゲンを含む)・血行促進(香りを吸い込むことでさらに効果アップ)・のどにやさしい花粉症に良いといわれ、さまざまな効果があります。

 

このような万能食材の柚子を、まるごと体に取り入れることができる ゆず茶の作り方を教えていただきました。

 

<簡単ゆず茶レシピ>

① 柚子を3~4個 水できれいに洗い、お好みの厚さ(今回は2~3㍉)の輪切りにスライスします。

② タッパに、砂糖とスライスした柚子を順番に重ねます。(※柚子・砂糖・柚子・砂糖…の順)

③ フタをして 冷蔵庫で1週間ほど置いておきます。(※置いておく期間もお好みですが、1週間くらいすると砂糖が溶けて柚子の水分が出るので、ゆずシロップができあがります。この状態で1~2ヶ月くらい保存できるそうです。) 

 

Photo_2  

 

 

 

 

 

 

④ コップに、ゆずシロップを大さじ1~2杯入れてお好みの甘さにしてお湯を入れます。

⑤ 最後に ゆずのスライスを1~2枚浮かべて完成です。

  

Photo  

 

 

 

 

 

 

 

本当に簡単だったので驚きました。

私は初めてゆず茶をいただきました。飲みながら香りを吸い込むことで、血行促進の効果がさらにアップするということなので、ゆずの香りを堪能しました。

飲みやすくて、甘酸っぱさがとっても美味しかったです。そしてゆず茶を飲み終えた後、ゆずのスライスも全部いただきました。

 

時には気分をかえて、お湯ではなく 水や炭酸水で飲むのもサッパリとしてオススメだそうです。また、作り方③の状態になると そのまま食べても美味しいとのことでした。

風邪をひきやすいこの時期に、予防として ぜひゆず茶をお試しくださいね。 

 

妹尾課長からお話を伺って初めて知ることがたくさんあり、食事の大切さを改めて感じました。

そして栄養課の皆さんの工夫や想いがたくさん詰まった当院の食事に、より一層 感謝の気持ちが強くなりました。

明日からの美味しい食事も楽しみにしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

人って良いですね。

2008年11月7日(金

本日の午前診療では 多くの方にご来院いただきました。

そして私も多くの方から声をかけていただきました。

 

「おはよう。」と気持ち良くご挨拶をしてくださる方、

「聞いて、聞いて。」と笑顔でお話をしてくださる方、

「お願いできますか。」と頼ってくださる方、

「頑張りょうるなぁ。」と背中をさすってくださる方、

「顔を見たから安心した。」と手を握って下さる方、

「また会いに来るよ。」と手を振ってくださる方、

「ありがとう。」とお気持ちを伝えてくださる方、

 

本当に 本当に心があたたまります。

皆さま、ありがとうございます。

人って良いですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

快く応じてくださった理由

2008年11月5日(水)

救急搬入があり、外来診療中の医師が対応することになりました。

数分後、担当の看護師からこのような連絡をただきました。

 

「救急患者さんの処置のため、○○医師の外来診療が一時中断することを伝えてください。(診察をお待ちの方に)

処置に時間がかかりそうなので、その旨もお伝えして対応をお願いします。」

 

私は診療科の前に立ち、救急搬入のために一時中断することを 皆さまにお知らせしました。

それからすぐ、処置には1時間以上かかることがわかり、お待ちの皆さまお一人おひとりに声をお掛けしました。

 

「大変お待たせして申し訳ございません。

ただ今お知らせしましたように○○医師が救急の処置にあたっており、外来診療は1時間以上の中断が予想されます。」

と明確なお時間をご説明した上で、投薬のみに変更される方、診療日を変更される方、体調の悪い方にはベッドで横になってお待ちいただく、などの対応をさせていただきました。(約10名)

救急搬入の時には具体的な時間(外来診療の中断時間)が予想できないことも多々あります。

今回のようなケースは私にとっても、長時間の中断になるという具体的な時間が把握できていたことで 適切に対応させていただくことができたと感じました。

 

皆さまには大変ご迷惑をお掛けいたしましたが、どちらの方も本当に快く応じてくださいました。

その理由として、救急搬入後すぐに連絡・対応することができたという その”スピード” や ”迅速な対応”が大きく関係しているのではないかと思います。

キャンセルされた方の中には、「せっかく都合をつけて来たのに残念だったけど、早く知らせてもらえて良かったです。まだかまだかとイライラすることもなかったし、長時間待つよりも受診日を変更して来たほうが良いからね。」と声をかけてくださる方もいらっしゃいました。

スピードと連携によっていただくことができたお言葉に感謝いたします。

 

救急搬入という緊急を要する状況の中、医師・看護師は救急患者さんに精一杯の対応をされています。

そして私は自分にできることを考え、お待ちの皆さまに精一杯の対応をさせていただきたいと思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »