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同じ負担

2008年6月19日(木)

車いすをご利用の方が 付き添いのご家族の方と一緒に、長い間 診察を待たれていたので声をおかけしました。

 

「長いお時間お待たせして申し訳ございません。

ご家族の方も同じお時間お待ちいただき申し訳ございません。」

このように声をおかけして その後は診療のこと、ご自宅での生活の様子、季節のことなど様々なお話をさせていただきました。

そして進行状況をお伝えし、しばらくお待ちいただくことのお詫びを再度お伝えしました。その際にご家族からいただいたお言葉です。

 

「いつもに比べて長いね…。

いろんな状況があるから仕方のないことなんでしょうけど…。

 

診察をする本人は病人なわけだから もちろんしんどいし、ずっと車いすに乗っているから思うように動けなくて辛いことは 周りの人から見ても理解してもらえると思うんです。

だけど私のように付き添いをしている人や介護している人、家族の人も、同じ時間に来て 同じように待って 同じように過ごしているんだから、やっぱり同じようにしんどい思いをしているんです。

今、あなたは 付き添いをしている私にも(受診者と)同じような気持ちで声をかけてくれましたね。

すごく嬉しかったです。ありがとう。」

 

私は、受診される方と付き添いをされている方は”待ち時間”という面では 負担が同じだと考えています。もちろん症状などの状況も含まれるので、全く同じということではないと思いますが、同じ時間を同じようにお待ちいただくことを考えると、当然 付き添いの方もしんどい思いをされていると思います。

お詫びや進行状況をお伝えすることで、また お話をさせていただくことで、ほんの少しでもお気持ちが和らいでいただけたら…

ご相談やご不満を 少しでもお聞きできたら…

お手伝いをさせていただけることがあったら…

と、アンテナを張りながら お話をさせていただいています。

 

そしてこれからも、受診者・ご家族の方との関係を大切にして 適切な対応ができるようになりたいと思います。

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あいさつ

2008年6月17日(火)

ご来院の方から ”あいさつ” について、貴重なお話をいただきました。

 

「私はね ”あいさつ” で、その人の心がわかると思っているのよ。

『おはようございます』 の一言で、その人が私に対して お出迎えをしてくださっているのか、業務的にあいさつをしてくれているのか、忙しさの中での一言なのか、そういった心が 声のトーン・表情・目線などから 全部わかると思うの。

たった一言のあいさつでも見ている人は見ているし、心を感じている人は感じていると思うの。

金田病院に診察に来たときには、気持ちの良い心を感じているのよ。」

と言ってくださいました。

 

ご来院の方と最初に交わす言葉は 「おはようございます」や「こんにちは」などのあいさつです。 

日常の中でたくさん交わすあいさつだからこそ、業務的になりがちなのではないでしょうか。 そして 日常の中でたくさん交わすあいさつだからこそ第一印象に大きく関わる大切な言葉なのではないでしょうか。

 

…と、そんなことを自分自身に問いかけるきっかけをいただいたような気がします。 

あいさつの一言に心を込めるということは、簡単なことのようでとても難しいことだと思いました。

 

こちらの方が言われたように、声のトーン・表情・目線など一つひとつを大切にしながら、お出迎えを感じていただけるあいさつを大切にしていきたいと思いました。

ご来院の方とお話をさせていただくことは、本当に多くの学びになります。

ありがとうございます。

 

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いつものように

2008年6月14日(土)

いつもはご家族の方と一緒に来院されるAさん(受診者)が、本日はお一人で来院されました。

私はいつものように玄関で車から車いすへの移乗のお手伝いをさせていただき、受付などを済ませました。 するとAさんは受診科の前ではなく、少し離れた待ち合い場所を指差して このように言われました。

 

「すみませんが、あの辺りに連れて行ってもらえませんか。

私は足が悪くて、待ち時間の間はいつもあそこで足を伸ばしているんです。普段は息子と一緒なので、息子が診察室の前で待っていて 私の順番になったら呼びに来てくれているんです。」

 

私はその場所までご案内して、Aさんにはいつものようにお待ちいただきました。

そして その旨を受診科の担当看護師に伝えました。

  • Aさんがお一人で来院されていること 
  • 少し離れた待ち合い場所にいらっしゃること
  • 車いすのお手伝いが必要なこと

Aさんの診察が終わり、担当看護師の方から 会計やお迎えの連絡などAさんのお手伝いについて申し伝えがありました。 同時に このような言葉をかけていただきました。

「Aさんのこと、いろいろ伝えてくれてありがとう。

受付をされていることがわかった時には ”いつものように家族の方と来られている” と思い込んでいたけど、こんな風に 一言伝えてもらったことで、Aさんをいつも以上に気にかけて声をかけることができたし、一人で来院されていることがわかっていればお手伝いの方法も変わってくるからね。

そういった情報を一言 先生にも伝えることで、Aさんにとっても私たちにとってもスムーズに流れたような気がするよ、ありがとう。」

 

今までにも情報の伝達は正確にできるよう気をつけていました。

今回 看護師の方からこのような言葉をかけていただいたことで、一言の伝達の大切さを実感することができました。

 

そして何より、Aさんにご不自由なく受診していただくことができ、「いつものように終わりました。」と喜んでいただくことができて、本当に良かったと思いました。

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実習生を迎えて Part 2

2008年6月13日(金)

定期的に通院されているAさんの乗ったタクシーが玄関先に到着しました。

Aさんはタクシーで来院され、その日の状態に応じてお一人で歩かれる場合と 車いすを利用される場合があります。 私はいつもお出迎えと同時に その日のご様子をお聞きして、Aさんの想いに添ったお手伝いをさせていただけるように気をつけています。

その旨を実習生の方に伝えていた際に、別の方からお尋ねをいただきました。私はこちらの方のお話をお聞きし、Aさんのお手伝いを実習生の方にお願いしました。

私は少し離れた場所にいましたが、Aさんと実習生の笑顔を見て いつもと変わりなく対応させていただけたのだと感じ、嬉しく思いました。

 

その後、実習生の方から このような質問をいただきました。

 

「アドバイスを聞いていたので、Aさんに喜んでいただくことができました!!

お手伝いの流れは、Aさんが望まれて始まったのですか?

Aさんから 『こんな風に手伝ってください』 と言われたのですか?

Aさんに限らず、皆さんへの対応はどのようにして今のかたちになっているのですか?

 

Aさんの場合もそうですが、私がお手伝いをさせていただく方のほとんどは 私から声をおかけしたことがきっかけです。

  • 「よろしければ~~いたしましょうか。」
  • 「どのようにさせていただくのがよろしいでしょうか。」
  • 「~~させていただいてもよろしいでしょうか。」

そして通院を繰り返される中で、少しづつ状況を把握できるようになり、お一人おひとりに応じたお手伝いが 今のかたちとなっています。

思えば、「こんな風に手伝ってください」と直接 伝えてくださった方は本当に少ないのです。 だからこそ状況を読むこと、心を読むこと、適切な距離で対応をさせていただくことが求められるのだと思いました。

 それは 目には見えないこともたくさんあるので容易なことではありませんが、磨いていきたいと強く感じました。 

 

実習生からいただいた一言により、大変勉強になりました。

ありがとうございます。

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実習生を迎えて ”現場で学ぼう” 

2008年6月9日(月)

本日より、当院の医事課に専門学校の実習生を迎えています。(1名)

約4週間 実際の医事業務を学び、ご来院の皆さまとのかかわりを通して 多くの経験を積まれることと思います。 教科書で学んだことや学校で教わったことなどが現場で活かされることも多くあると思いますが、それ以上に 現場でなければ経験できないことも多くあると思います。

 

 

今週は 私と一緒に「金田病院のコンシェルジュ」業務を経験。

お話をしていても、緊張されている様子が伝わってきます。緊張をほぐして少しでもリラックスしていただければ…と思っていたのですが、本日は週明けの月曜日!! 午前中の外来フロアには大勢の方が来院されています。

その状況・雰囲気・看護師や受付スタッフが忙しく動いている様子を目の当たりにして現場の空気を肌で感じ、少し驚かれているようでした。

 

一緒に業務を行いながら、「こんなときには こんなことに気をつけています。」などと言葉にして伝えたり、疑問や質問をいただくことで 私自身も業務や気持ちを再確認することができ、大変 良い機会になっています。

初日の姿からは ”現場で学ぼう” と意識されていることが、強く伝わってきます。 そのエネルギーは私にとっても良い刺激となり、改めて ”学ぼう” とする目線に立つことができました。

この4週間、実習生の方から、たくさんのことを教えていただきたいと思います。

 

 

そして、この限られた実習期間の中で ”今” しか経験できないことに目を向け、人との出会いや様々な学びによって多くのことを吸収して、時には失敗も経験しながら 実りある病院実習にしていただきたいと思います。

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文化

2008年6月3日(火)

診察をご希望で来院された方から、診療科のお尋ねをいただきました。そして看護師に相談した上で 適切な診療科に受診していただきました。

 

私は こちらの方のご様子が気になっていたので、診察が終わられたことを確認して声をおかけしました。

すると、このようなお話をして下さいました。

 

「大丈夫です、ありがとう。

実はね、以前 主人がこちら(金田病院)に入院をしていました。 ずっとお世話になっていたんですけど、退院することなく亡くなってしまいました。

それからずいぶん経ちますが、いろんな想いがあって こちらに来るのは何となく辛く感じていたんです。

その後は私自身も体調を崩すことなく過ごしていたんですけど、このところ ちょっと調子が悪かったので、今日 思いきって診察に来ました。

 

やっぱり金田病院は優しさに溢れている感じがします。

今日の診察でも、検査の場所まで案内してくださったり 私の話をじっくりと聞いて下さったり…すごく嬉しかったです。

主人も入院中には本当に優しくしてもらったな~と、今日しみじみ感じましたよ。

ありがとね。」

 

きっと本日の受診時にも ご主人のこと・ご入院中の嬉しかったこと・悲しかったことなど、様々な想いが巡っておられのではないかと思います。

辛かったことを思い出されていた時間もあったと思いますが、そのような中で優しさを感じることができたと言っていただき、大変嬉しく思いました。

 

お話を伺うと、ご主人がお亡くなりになったのは数年前。

私が勤める以前のことです。

私はその当時の”金田病院”を知りません。

今回いただいたようなお話から、人の温かさや優しさなど 自然と受け継がれている文化を感じることができました。

 

貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

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コンシェルジュが行く! 「臨床工学技士:酒井 恒貴さん編」

今回で2回目のコーナーです。

様々なご意見をいただき 反響が大きかったこちらのコーナーですが、第1回目(3月31日に記載)のお届けからずいぶん時間が経ってしまいました…申し訳ありません…。

 

今回は、透析室勤務の臨床工学技士 酒井 恒貴さんにインタビューさせていただきました!!

今回、透析室に何度かおじゃましてインタビューをさせていただいたのですが、初めて聞く言葉、初めて見るもの、初めて知ることが本当にたくさんありました。

 

まずは、透析について簡単にご説明します。(今まで私は透析について詳しくは知らなかったので、説明していただき大変 勉強になりました!!)

何らかの原因で腎臓の機能が低下すると、老廃物や不要な水分が排出されなくなり血液中に溜まってしまいます。血液透析とは、そのような血液を透析用コンソールと呼ばれる機械で体外に引き出し、老廃物や不要な水分を取り除いて血液をきれいにし、再び体内に戻すという方法です。

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透析用コンソール

 

 

次に、臨床工学技士について。

皆さまは「臨床工学技士」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。

臨床工学技士とは、医師以外の診療補助を行う職種の一つで、医学的・工学的な知識と技術を持つスペシャリストです。(医師以外の看護師や放射線技師、臨床工学技士などの医療技術者をコメディカルと呼びます)

実は今回、臨床工学技士が当院においてどのような業務を行っているのかを私はほとんど知らなかったので、酒井さんのインタビューで、私も改めて勉強させていただくことができました。

 

 

それでは、当院の透析室と酒井さんの業務を覗いてみたいと思います。

 

現在 透析室では、医師 1名、臨床工学技士 2名、看護師 4名のスタッフで対応しています。

透析をされている方は、1回 4~5時間、週に3回 通院されています。

それに加えて、塩分や水分など食事面での制限もあり、体力的な負担だけでなく 精神的な負担も大きいと思います。

そのような方を心身共に支え、サポートさせていただきたいとの想いを込めて、透析室のスタッフは日々の業務にあたっています。

 

それは、透析室のドアを開けるとすぐに感じられました。

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ドアを開けると このような言葉で迎えられます。

今まで入ったことのなかった透析室。私は心から感動しました。

こちらの言葉は 透析室の大嶋室長が考えられ、知人に依頼して書いていただいたものだそうです。そのことを知り、またまた感動!!

患者さまと長い時間を過ごし 深く関わる看護だからこそ、このような想いは心に響きます。

 

そして、こちらが臨床工学技士の酒井 恒貴(さかい つねき)さん。

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先ほどご紹介した透析用コンソールという医療機器を、丁寧に清掃されている様子です。医療機器の保守・点検も大切な仕事です。

酒井さんが日ごろ心掛けていることをお尋ねしました。

「患者さんには頻繁に声をかけるように心掛けています。

『調子はどうですか。』 の一言でも、業務的にならないように相手の表情を見て、言葉を足して、心を込めてお話ができるようになりたいと思っています。」

と、患者さまの体調管理をさせていただく責任を話して下さいました。

 

当院に就職されて3年目。

「職場は 和気あいあいとしていて楽しいですよ。」 とのこと。

そんな雰囲気は透析をされている皆さんにも伝わっているようで、「話しやすい人(スタッフ)ばかりだし、ゆっくり休める環境ですよ。」 との声も届いています。

 

酒井さんは、当院での就職前に見学に来られ、その時の印象をこのように話されました。

「とにかく職員同士が明るくて活き活きと働いているのが印象的でしたね。僕は広島で生まれ 広島で育ち、ずっと実家で過ごしていたんですけど、社会に出たときに ここ(金田病院)なら一人でも頑張れそうだなと思ったんです。」

その時の印象は、今も変わっていないそうです。

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こちらは真剣な表情でカンファレンスをされている様子。お一人おひとりを想い、これまでのこと・これからのことなど様々な話をされていました。

 

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カンファレンスが終わると、酒井さんが言われた”和気あいあい”とした いつもの雰囲気に。

「仕事は楽しいことばかりではありません。大変なことも多くありますが、先輩を頼りながら 日々勉強しています。

また、患者さんとの密な関わりの中で その方に応じた対応を学んでいます。そうした中で関係を築いていけるのは楽しいです。

僕にとって透析室は居心地が良い場所です。」

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と、少し照れたように話してくださいました。

酒井さんの、穏やかで和やかな雰囲気は きっと皆さんに伝わっていると思います。

これから ますますのご活躍を期待しています!!

そして最後に…

透析室の温かい雰囲気を演出しているのは ”人” だけではないことに気付きました。

 

至るところに飾られている生花。

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長時間 透析をされる方が少しでも癒される空間となりますように…

 

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お出迎えの言葉と同様に、スタッフの想いから作られた一角です。

もしかすると、透析を終えられた方にとっても スタッフにとっても、どこか見慣れた一角になっているのかもしれません。

けれど、決して枯らすことのないよう手入れされている生花は いつも同じ場所にあります。

きっと またいつか目にとめて心に響くときがあるはずです…。

 

 

 

今回のインタビューは、私にとって業務を知ることから始まりました。

透析をされる方を車いすでお送りすることはありますが、部屋の中に入ることはありませんでした。院内での業務をまた一つ学ぶことができ、本当に良い経験になりました。

透析を終えられた方とすれ違う廊下。お迎えを待たれている玄関。

「お疲れ様でした。」の一言に、今まで以上に心を込めてお伝えしたいと思います。

 

 

ご協力をいただいた皆さん、本当にありがとうございました!!

 

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「元気になったでぇ!!」

2008年5月29日(木)

以前 退院前の病室訪問をさせていただいた方が、外来受診に来院されました。

 

「元気になったでぇ!!」

と声を掛けて下さり、ご入院中のことやご自宅に帰られてからのことなど、たくさんのお話を聞かせてくださいました。

病室訪問をさせていただくまでは、外来でお会いしてもあまりお話をさせていただくことのなかった方との交流を、大変 嬉しく思いました。

 

こちらの方が退院されてから約1ヶ月。

「家族が支えてくれている。迷惑をかけているけど、家にいられることが何よりの治療になっている」 とのお言葉からは、充実した毎日を過ごされていることが伝わってきます。

 

「今まで毎日を忙しく突っ走っていたぶん、退院したら 家でゆっくりしたい。」と言われていた病室でのお顔が浮かび、こちらまで心が温まります。

 

 

病室訪問をさせていただいた方が、退院後 最初の診察に来院されるときには事前にチェックし、できるだけお話をさせていただけるよう心掛けています。

クレームをいただいた方には、再度 お詫びや改善策などをお伝えすることができます。

お褒めの言葉を下さった方には、感謝の想いをお伝えすることができます。

そして お一人おひとりに応じた体調のお話をさせていただくことができます。

 

 

「退院前の病室訪問」という一つのきっかけから生まれたつながりを、大切にしていきたいと思います。私にできることを重ね、ご来院の皆さまに より身近に感じていただき、頼っていただけるようになりたいと思っています。

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身をもって学んだこと

2008年5月27日(火)

「すみません、ちょっと よろしいでしょうか。」

声をかけてくださったその表情に笑顔はありません…

入院されている方のご家族です。

ほぼ毎日 来院され、笑顔で気持ちよく挨拶をしてくださいます。 時にはお話をさせていただくこともあり、明るくて楽しくて とても親しみやすい方です。

それだけに、今までにはない雰囲気を感じ 私はとっさにカウンターから出て小さな声でお伺いしました。

私: 「はい、大丈夫です。いかがなさいましたか。」

 

「金田病院にはいつもお世話になっています。皆さん明るくて 親切にしてくださっているので感謝もしています。

…ですが… …。」

と続けて言われたその内容は、病棟での対応を不満に感じているというものでした。

 

ゆっくりと落ち着いて話していただけるよう、外来フロアから少し離れた場所へご案内しました。

不満に思われていることをいくつか話してくださいました。

また反対に、こんなことまでしてもらって良かった・嬉しかったとの想いもお聞きすることができました。

 

そしてお話の最後には、

「なかなか言いにくいこともあって気持ちがモヤモヤしていたけれど、場所(病棟)を離れていることや、直接ではなく あなたに話すことでワンクッション置くことができたので、すんなりと話せました。

おかげでスッキリしました。

日々の対応には感謝しているんですよ。明るくて楽しい看護師さんが大勢いらっしゃいますからね。

そんな想いもあって直接は話せなかったんです。

今回のことは私の名前も 話の内容も看護師さんにお話ししてもらってかまいませんので、改善されることを期待しています。

と言ってくださいました。

 

内容については すぐに病棟師長にお伝えしました。両者の状況をお聞きしたところ、想いのすれ違いがあることがわかりました。

適切な対応をさせていただいていても想いが伝わらなかったこと、説明不足により不快な想いをおかけしてしまったこと、状況は様々です。 いずれにしても ご入院されているご本人やご家族の方が不快な想いをされ、不満を抱かれていたことは事実としてしっかりと受け止めなければいけないと思いました。

 

その後、ご本人やご家族の方にきちんとお詫びをさせていただき、お互いの想いを確認することができたと、病棟での対応について連絡をいただきました。

お帰りの際にはご家族の方がいつもの笑顔で 「ありがとうございました。」 と言ってくださいました。

その笑顔に安心し、心から嬉しく思いました。

 

 

実は、このお話には もう一つの物語があります。

ご家族の方から病棟での出来事や想いをお聞きしたときには あまりにもストレートな表現もあり、私は 病棟師長にどのようにお伝えするべきかを迷いました。

病棟の看護師が献身的に看護に当たっていることはわかっていましたが、不満を抱かれ 改善を望まれて私にご相談してくださったご家族の想いを考えると、ありのままに伝えるべきだと思いました。

「○○号室にご入院中のご家族の方より、ご意見をいただきました。」 

師長はとても真剣な表情で聞いてくださいました。

お話が終わり、病棟師長よりかけていただいた意外な言葉に、私は何とも言えない気持ちになりました。

 

「伝えにくかったじゃろ~。

どうやって伝えようか悩んだじゃろ~。

伝えてくれて本当にありがとう。」

 

その言葉で、一気に緊張が解けました。

 

私はこのような言葉をかけていただき、身をもって学んだことがあります。

それは、辛いこと・困ったこと・悩んでいることなどは、受け止めてもらうだけで安心できる ということ。

そして、理解してもらうことで信頼になる ということ。

 

 

この度 貴重なご意見をくださったご家族の方も、私にお話してくださる前には少なからず不安や緊張があったのではないかと思います。

お話の内容に耳を傾けるだけではなく、お話をしてくださる そのお気持ちも受け止め、理解することが大切だと思いました。

 

一つの出来事により、ご意見をいただく側の想いと 伝える側の想いを感じることができました。両者の想いを考えながら、適切な対応ができるよう少しずつ成長していきたい思います。

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