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手術~心の栄養補給に至るまで

2008年4月21日(月)

 ご入院中の方から、大変 貴重なお話をお聞きすることができました。

 外来ではお会いする機会が多く、 度々お話をさせていただいている方で、この度のご入院では 膝の半月板損傷で、関節鏡下手術を受けられました。

私がお部屋に伺って様子をお尋ねすると、手術を控えた時の不安や安心 手術を終えてのご感想など 様々な想いをこのように話してくださいました。

 

「手術が決まったときには ”痛みを取り除いてもらえるなら 一刻も早く手術をして欲しい” という想いと ”ただただ怖くて不安” という想いでした。 実際、私は数年前にも手術を経験していますからね…。手術が決まったら覚悟はするのですが、それでもやっぱり不安は消えないのが普通だと思うんです

それがね、今回は安心につながる出来事がたくさんありました。

 まず一つは、手術室の看護師さんが術前に病室に来てくださったこと。ていねいに手術の説明をしていただき、話を聞きながらイメージすることができました。 その時の看護師さんが穏やかで明るくて…。先生も穏やかで優しいですし、みなさんのお顔がわかって ”こんな方々に手術をしてもらえるんだ” と思うと、それだけで安心できました。

 

 当日 手術室に入ると 『○○さん。』 と声をかけられ、見ると 青色の手術着に身を包み 目が見えるだけの、まるで忍者かと思うような看護師さんがいました。

『こんにちは。』と、目を細めて笑ってくださる その雰囲気と声に ”あれ??” と思いました。 どこかで聞いたことがあるような… 見たことがあるような…

『あっ!! 外来の看護師さん?!』 

看護師:『そうですよ~。今日は○○さんの手術に入らせていただきますので よろしくお願いしますね。』

と、こんな会話で 一気に緊張感が解けました。私は嬉しくなって自分でも驚くほど落ち着いて手術に臨むことができました。外来の看護師さんが手術に入ることもあると聞いて、私は本当に運が良いなぁ~と思いました。

 そうやって始まった手術では、その様子をモニターで確認しながら進みました。モニターを見るのは少し怖いような気もしましたが、先生が『この部分を切除しますからね。』 とか 『今から洗いますよ。』 と、ていねいに説明してくださったので とっても良くわかり 安心しました。

 手術は無事に終わり、今は順調に回復しています。 リハビリも頑張っていますよ。

手術を受けて本当に良かったぁ~!! 医療技術の進歩にも感動しましたが、それ以上に 人の温かさに感動しました。

 緊張感を与えない先生や安心できる看護師さんの存在は、手術を受けたり入院をする中で とても大きいです

 

先生は患者を選べないけど、患者である私たちは病院や先生をいくらでも選ぶことができます。患者を選べない先生  患者を選ばない先生に本当に感謝しています。

 

今は同室の方と一緒にいろんな話をしながら毎日良く笑っています。入院生活で こんなにも笑うとは思いませんでした。

心の栄養もしっかり補給できていますよ。みなさんに感謝しています。」

 このように話してくださいました。

 

病院に求められるものは 医療技術はもちろんですが、温かさや心も求められていることを強く強く感じました。そして今回のお話から、その温かさや心こそが 安心や感動につながることを学びました。

このようなお話をお聞きでき、私の心の栄養補給にもなりました。

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2008年4月11日(金)

 退院前の病室訪問をさせていただくため、病棟(中央棟2階)に行ったときのことです。

「ちょっとこっちへおいでなさい(こちらへいらっしゃい)。」

廊下を歩いているところ、ご入院中の方から声をかけていただきました。

 

「あんたは この場所から桜を見たことがありますかな。

Photo_3  

 

 

 

 

 

 

入院中の私の目線はこれです。

病室と天井を見つめる変わりない生活の中で、この窓から見える桜の景色は最高じゃ。

お茶の時間(15時頃)や夕食の後には、入院中の人が自然と この場所に集まる。人の輪は広がるし、景色は良いし、入院生活の中で 桜を見ることが楽しみになっとるんじゃ!! (楽しみになっている)」

 

このようにお話くださった方は、ご自分の体調と時間の許す限り 窓から見える桜を眺めておられるそうです。 中央棟2階の廊下からの景色は桜が目の前に見える特等席です。右を見ても左を見ても きれいな桜を望むことができます。

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 しかし今まで私は、その目線に気付くことができませんでした。それは、病棟に行く機会が少なかったことも理由の一つですが、それだけではなく ”気に留めなかった” からだと思います。

実際に目で見る目線と、心で感じる目線によって、大切なことを学ばせていただいたような気がしました。

 

「また いつでもおいでなさい(いらっしゃい)。時間の流れを感じて心もきれいになるから。」

 笑顔でお話くださった中にも、時々 目が潤むそのご様子に、桜に語りかけるたくさんの想いを感じました。

またお伺いさせていただきますね。たくさんのお話がお聞きできること、楽しみにしています。

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「今日は一人で来て良かった!!」

2008年4月5日(土)

 車いすをご利用の方が受診に来られました。 時々ご家族の方と一緒に来院されますが、ほとんどの場合は タクシーを利用して お一人で来院されます。

 本日 来院されたときのご様子はいつもとお変わりなかったので、私もいつもようにお手伝いをさせていただきました。

 診察が終わられ、お帰りのタクシーを待たれていたときのこと。 私はこのような時間を大切に考え、いつも声をお掛けして少しお話をさせていただいています。 病気のこと、ご家族のこと、最近の出来事など、身の回りのことをたくさんお話して下さいます。 そして本日の話題はなんと言っても、当院の玄関から見える満開の桜。 

「桜がきれいじゃなぁ~。」

そこで私はタクシーが来られるまでの間、外で桜を眺めながらお待ちいただくことにしました。

Photo_2  

 

 

 

 

 

 

 

当院の西側には、このように見事な桜が咲いています。この時期には多くの方が季節の訪れを感じ、その景色を楽しんでいます。

もちろん、私もその一人です。 ”つぼみが膨らんできたな…” ”つぼみが膨らんでいるのに寒くなったから なかなか咲かないな…” ”朝は2分咲きだったのに、夕方になると3分咲きになっているな…” ”うわぁ~満開になった!!” と、ワクワクします。ご来院の皆さまとの会話が より一層楽しみになります。

 

 このような景色を眺めながらちょっとしたお花見を楽しんでいると、間もなくタクシーが到着しました。ほんの少しの時間でしたが、こちらの方は大変感激して下さいました。

「一人での受診は大変なことも多いけど、今日は一人で来て良かった!!

一人で来たからこそ こんなことまでしてもらえて、何だか得した気分です。お花見なんて行けれないから…。

本当に、本当にありがとう。」

”ありがとう”と繰り返し言ってくださり、私の姿が見えなくなるまでタクシーの中から手を振り続けてくださいました。

 

 私は、決して特別なことをさせていただいたわけではありません。こちらの方にとって、病院への通院は様々な面で大変なことだと感じます。 会話の中から想いを十分に感じ取り、喜びや感動など 少しでもお気持ちに触れることのできるお手伝いをさせていただきたいと思っています。

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気付きの機会

2008年4月3日(木)

 本日 初めて受診に来られた方が、診察を終えて私に声をかけてくださいました。

「院外処方箋という仕組みが良くわからないのですが…。」

 院外処方箋の流れをご説明すると、当院から一番近い薬局を希望されたので 薬局が見える場所までご一緒しました。

「ありがとう。長い間 病院にかかったことがなかったから、全然わかりませんでした。

診察に来て玄関を一歩入ったときに、受付の方法もわからないし、場所も何もかもわからないその不安から、一瞬 ”帰ろうかな” と思いました。でも、受付の人も看護師さんも ていねいに説明や案内をしてくださったので、本当に助かりました。

ありがとうね。」

 

 院外処方箋のシステムだけではなく、予約診療システムや受付の手順など、私たち職員にとっては当然 理解できていることでも、それはあくまでも私たちの”当然”であることを理解しておかなければならないと感じました。

 そして、初めての方や よくわからないと感じていらっしゃる方が大勢いらっしゃることも理解しておかなければならないと感じました。

 

 心掛けているつもりでも 日々の業務の中で、すこしづつ当然になっていくものだと思います。このような機会を自分自身の気付きの機会であると考え、大切にしていきたいと思いました。

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